【山小屋泊 八ヶ岳登山】権現小屋と赤岳展望荘のそれぞれの良さと注意点

権現小屋のアルコールランプ
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編笠山から権現岳、赤岳縦走のときに権現小屋・赤岳展望荘に泊まりました。

この2つの山小屋は対照的でおもしろく、それぞれ良さがあって特徴があるなぁと感じたので、注意点と合わせてまとめました。

 

権現小屋

権現小屋外観

権現小屋の特徴・営業期間・連絡先など

谷の際に建つ権現小屋

南八ヶ岳の編笠山・西岳から歩くと権現岳の山頂手前にあるこじんまりとした、小さな山小屋です。

このコース自体が八ヶ岳の中では少し難易度が高いからなのか、お盆最中に泊まりましたが宿泊は10名でした。

特徴

・景色がいい!

私達が泊まった日はあいにく何も見えなかったですが、谷に建てられているので景色がよく見えるときは、夜景も見えるらしいです。

出発の朝、山小屋から見た景色です。

権現小屋から見た中央アルプス

 

・ちょっと傾いています

谷の際に建てられていて、小屋は少し谷側に傾いています!2階に行くとよくわかるのですが、体が谷側にもっていかれます。

階段を上がったあたりの壁に、みんながぶつかったような跡が…とにかく階段を上がれば、理由がわかります。

 

ランプのみの山小屋

日が落ちるとアルコールランプのみで照らします。

ランプのみで過ごすなんて、なかなかないですよね。

 

・お兄さん一人で運営

権現小屋は基本は一人で運営だそうです。昼間は荷物を取りに山を下りているので、誰もいないこともあるようです。

 

・個室はなく、小屋の2階が寝るスペース

個室はありません。2階で布団の雑魚寝スタイル。

宿泊人数が少なかったので、スペースは十分ありました。

ちょっと着替えたい場合は、1階の物置を着替え場として貸してくれました。(あくまで物置ですから贅沢は言えませんよ…)

 

・若干の雨漏り……アリ?

どうやら小屋の隙間がかなりあるようで、宿泊した日に雨が降っていたのですが、隙間を埋めているような個所もありました。

ただ、寝ていたら水が落ちてくる!というようなことはありませんので安心してください。

 

権現小屋の基本情報

連絡先:090-2657-9720(青年小屋と共通)

営業期間:4月下旬~11月上旬

料金:素泊まり5,500円・1泊2食付8,500円 予約希望

収容人数:40名

権現小屋の魅力

権現小屋のアルコールランプ

権現小屋の魅力は何といっても、ランプで過ごす夜の時間です。

テレビなどはもちろんないですから、夕食が終わってしまえば就寝を待つ時間。

 

炭で温めたこたつに入って(8月でも少し寒かったです)ぼ~っとします。

携帯電話は、電池の節約のためになるべく見ないように。

いつもだったら、何となくテレビや携帯を見てしまう時間が「何もしない」時間になります。

これはこれで、いつもと違う特別な過ごし方。強制的なデジタルデトックスです。

雨と雷の音を聞きながら、外が暗くなっていくのを待ちます……

 

この「なにもしない時間を過ごすこと」がこの小屋の魅力かなと思います。

権現小屋のご飯

山小屋はご飯も気になることの1つ。

炭で温めたこたつに入って、ご飯を頂きます。

 

・夕食

夕食は、人数が多いときはカレー、少ないと揚げ物だそうです。この日はカレーでした。

権現小屋の夕食

カレーだけかと思っていたら、嬉しいことにマカロニサラダ・かぼちゃスープ・ラッキョウと福神漬けまで付いていました。

カレーも小屋のお兄さんの手作りで、おいしかったです。おかわりも自由にできました。

あとは、お湯とお茶も飲めます。

 

・朝食

権現小屋の朝食

朝食は、ご飯とお味噌汁・切り身のお魚・甘い卵焼き・のり・お漬物です。

朝食もおかわりできます。甘い卵焼きが、やみつきになりそうな不思議な美味しさでした。

 

・ビール

忘れちゃいけない、ビールは缶ビールが冷やしてあり、500円です。

皆さん、到着して落ち着いたらこのビールと持ってきたナッツやお菓子を食べながら、夕食を待っていました。

 

権現小屋の注意点

権現小屋の注意点は不便を覚悟しましょう、ということ。

山小屋では当たり前といえば当たり前ですが、この後に紹介する赤岳展望荘とは、利便性で言えば全然違います。

 

・ヘッドライトは忘れずに!

山小屋全体が薄暗いので、小屋内はヘッドライト必須です。夜はもちろん昼間も、です。

トイレは一旦外に出たところにあるので、夜のトイレにも使います。

 

・同じ空間で寝るので、耳栓が欲しい

ヘッドライトと同じく、どこの山小屋でもそうなのですが、人のいびきは一度気になりだしたらなかなか眠れませんよ。

耳栓あったほうがいいです。

 

 

赤岳展望荘

赤岳展望荘外観

赤岳展望荘の特徴・営業期間・連絡先など

赤岳展望荘

赤岳山頂から30分弱下ったところにある、稜線上の大きな山小屋、赤岳展望荘。

 

特徴

・山頂近くにある山小屋なのに大きい

収容人数は200名です。標高2,700mにある山小屋なのに、これだけ泊まれます。

スタッフもたくさん働いています。

 

・個室がたくさんある山小屋

個室(2~3人部屋)が37部屋もあります。大部屋よりも総収容人数は多いです。

個室は、3畳くらいの部屋にベッドが高さ違いで入っています。個室は布団です。

3人用だともう少し広いと思います。

やはり個室の方が人気なようで、お盆ですが大部屋の方がすいていました。

 

大部屋は2段ベッド状になっており、仕切りが何カ所かあります。カーテンが付いているので、ちょっと着替えることもできます。

下の段は、窓がないので真っ暗です。電気もありません。

大部屋は寝袋が用意されていました。

 

・名前の通り景色がいい

朝、小屋の裏から見た富士山です。

赤岳展望荘から見た富士山

 

・お湯、お茶、コーヒーが宿泊者は飲み放題

宿泊のチェックインをすると、コップを渡されます。そのコップを使って、お湯、お茶、コーヒーが朝出るまで飲み放題です。ただし、利用時間は決まっています。

そのコップは翌朝出るまでは、ずっと使います。夕食の時に返却してしまわないように注意してください。

 

・生ビールが飲める

赤岳展望荘での生ビール

生ビールが飲めます。こんなところで!頑張った後のビールは最高です。

到着後、皆さん結構生ビール飲んでましたよ。

お値段は、生ビール800円・缶ビール500円。

グラスワイン・焼酎もあります。

 

・五右衛門風呂がある

4月~10月上旬は五右衛門風呂に入れます。シャンプーやせっけんは使えないので、汗を流すのが目的ですがさっぱりできます。

タオルを持っていきましょう!

 

風呂窯の鉄のせいか、少し鉄臭いのでシャワーで流してから出ました。シャワーは1つなので、大人数同時には入れません。

男女入れ替え制です。

 

トイレの浄化槽のバクテリア繁殖用に、定期的に温水を入れなければいけないのだそうです。お風呂で使ったお湯を再利用して浄化槽にいれているようです。

 

・テレビもある

風力発電をしているとのことで、食堂と談話室にテレビがあります。

談話室には、マッサージチェアも置いてありました。

 

赤岳展望荘の基本情報

連絡先:0266-58-7220

営業期間:4月20日~11月4日、12月21日~2月下旬

料金:素泊まり6,500円・1泊2食付9,000円 個室はそれぞれプラス3,000円 予約希望

収容人数:200名

 

赤岳展望荘の魅力

赤岳展望荘の魅力は、便利な山小屋という所です。

山小屋が初めての方にはいいと思います。

 

大部屋が不安であれば、個室に泊まることもできますし、山小屋全体も電気で明るい、歯を磨く洗面台もあります。

山の上に建っているけど、「普段と違う」ことの割合が少ない山小屋です。

赤岳展望荘のご飯

赤岳展望荘のご飯は朝も夜もビュッフェスタイルです。

チェックイン時に渡されたカップホルダーの色によって、少しずつ時間をずらして夕食の時間となります。

 

・夕食

この日の食事は、炊き込みご飯・豚汁・山菜の天ぷら・豚角煮・鶏肉と野菜の煮物・キノコの煮物・山菜おひたし・杏仁豆腐・フルーツ。

赤岳展望荘の晩御飯

ayuさんがとってきたおかずです。

赤岳展望荘の夕食2

おかわりも、もちろんできます。おいしかったです。

 

・朝食

赤岳展望荘の朝ご飯

この日のメニューは、ご飯・お味噌汁・のり・厚焼き玉子・肉団子・ウインナー・青菜・筍の煮物・お漬物・オレンジでした。

朝ご飯もおかわり自由です。

これだけおかずがあるのは、嬉しいですね。

 

赤岳展望荘の注意点

赤岳展望荘の注意点はほとんどないのですが、2つ挙げておきます。

 

・ヘッドライトは必ず持っていく

電気がしっかりついている山小屋ですが、大部屋の下の段になったり、消灯後は基本的に真っ暗です。ライトは持っていきましょう。

 

・個室前の廊下の軋み

個室の前の廊下の軋みが結構気になりました。多くの人が歩きます。

個室とはいえ、山小屋の部屋の扉は薄いので、もしかしたら気になる人もいるかも、と思いました。

心配な方は、個室でも耳栓持って行った方がいいかもしれないです。

 

権現小屋・赤岳展望荘 それぞれの魅力がある山小屋

権現小屋は静かな山小屋、赤岳山荘は賑やかな山小屋、と特徴が正反対な山小屋に泊まって、それぞれの魅力がくっきりしました。

 

好みはあるとは思いますが、私はどちらも好きな山小屋でしたよ。

それぞれの特徴を知ったうえで、山小屋を選ぶのも登山の楽しみだと思います。

 

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